料理人が選ぶ食器の選び方|プロが大切にする3つの視点
「この器を買ったのに、なぜか盛りつけが決まらない」——そんな経験はありませんか。
食器選びは、多くの方が「見た目の好み」や「価格」を基準にしています。しかし、料理人が選ぶ食器には、まったく異なる視点があります。それは「料理を美しく見せるための舞台として器を選ぶ」という発想です。
当店「いとをかし」の編集部は、元料理人のメンバーを中心に構成されています。本記事では、長年厨房に立ち盛りつけと向き合ってきた経験から、プロが食器を選ぶときの基準を具体的にお伝えします。
料理人が食器を選ぶとき、何を見ているのか
料理人にとって、食器は「料理を入れる容器」ではなく「料理を完成させる最後の要素」です。どんなに丁寧に仕込みをしても、器が合っていなければ料理の魅力は半減します。
私たちがよく口にする言葉があります。「器は、それだけでは完成しない。料理があって、器がある。器があって、料理が引き立つ。すべてが揃って初めて完成する。」この考え方が、料理人の食器選びの根底にあります。プロが実際に見ているポイントを、以下に詳しく解説します。
料理の色を引き立てる「背景色」の選び方
料理人がまず考えるのは、料理の色と器の色のコントラストです。煮物や茶色っぽいおかずは白い器に盛ると際立ちます。青魚の刺身なら、白よりも淡い灰色や青みがかった器の方が涼しげで美しい。
器の色は「料理の背景色」として機能します。白・生成り・グレー・黒・青白磁など、食材の色や季節感に合わせて選ぶことが、盛りつけを美しく見せる最初のステップです。
盛りつけが映える「縁の形と深さ」
縁(ふち)のデザインは見落とされがちですが、非常に重要です。縁が広い平皿は、料理を中央にまとめることで余白の美が生まれ、一品の存在感が増します。縁が狭くて深みのある鉢は、煮物や和え物を重ねるように盛るのに向いています。
料理人は「この料理をどう盛るか」を想像しながら器を選びます。器の形は、盛りつけの手順そのものを決める要素でもあるのです。
毎日使うための「重さと口当たり」
料理人にとって、器は毎日使う道具でもあります。重すぎて扱いにくい器は現場では敬遠されます。飯碗なら片手でしっかり持てる重さ、汁椀なら口に触れたときの縁の薄さ——こうした実用的な感覚も、器選びに直結します。
産地によって厚みや重さは大きく異なります。波佐見焼は薄くて軽く日常使いに向き、信楽焼は厚手でどっしりとした存在感があります。産地の特性を知ることが、用途に合った器選びの近道です。
料理の種類別・料理人が選ぶ食器の傾向
料理人は、料理のジャンルや調理法によって使う器を使い分けます。「どの料理にどんな器が合うか」を知っておくと、食器選びの迷いが一気に減ります。以下に代表的な種類を紹介します。
主菜を引き立てる平皿の選び方
焼き魚・揚げ物・主菜には、直径24〜27cm程度の平皿が基本です。料理人が平皿を選ぶとき、縁が少し立ち上がった「リム皿」を好む傾向があります。料理が皿の外に広がらず、ソースが流れにくいため盛りつけの完成度が高まるからです。
色は白か生成りが基本ですが、料理が茶系のときは黒や灰色の器で引き締めるのも効果的です。
汁物・副菜を引き立てる鉢・椀の選び方
汁椀は「手で持つ器」の代表格です。口縁の薄さ・漆の質感・持ったときの軽さが重要な選択基準になります。木製や漆器の汁椀は保温性が高く、熱い味噌汁も最後まで温かいまま楽しめます。
小鉢は、和え物・酢の物・付け合わせを盛る器です。5〜6cmの深さがある鉢は汁気のあるものも盛りやすく、料理人からよく選ばれます。
食器選びでよくある失敗と、料理人流のコツ
食器選びで多くの方がやってしまう失敗に「セット買い」があります。揃いで買うと統一感は出る反面、料理の種類に合わせた柔軟な使い回しができなくなることがあります。料理人が実践する選び方を参考にしてみてください。
「セット買い」よりも「一枚ずつ」を選ぶ理由
料理人が好む選び方は、一枚ずつ厳選して揃えることです。白の平皿・黒の鉢・生成りの飯碗というように、色や質感が異なる器を少しずつ揃えることで盛りつけの幅が広がります。
同じシリーズで揃えるよりも、意図を持って異なる器を組み合わせる方が、食卓は豊かになります。産地も焼き方も違う器を並べたとき、それぞれの個性が引き立ちあって、食卓全体の表情が生まれるのです。
よくある質問
料理人が選ぶ食器に関して、お客様からよく寄せられる疑問にお答えします。器選びの参考にしてください。
Q. 料理人が選ぶ食器は、一般家庭でも使いやすいですか?
はい、問題ありません。料理人が重視する基準(料理の色との相性・形の使いやすさ・重さのバランス)は、家庭での使いやすさとほぼ一致しています。「毎日使える実用性」を重視するプロの視点は、家庭での食器選びにそのまま役立てることができます。
Q. 波佐見焼と有田焼、料理人はどちらを選ぶことが多いですか?
料理の用途によって異なります。波佐見焼は薄くて軽く日常使いに最適で、有田焼は白磁の美しさが際立ち特別な場面に向きます。料理人は「どんな料理を盛るか」で産地を使い分けることが多く、どちらが優れているという話ではありません。
Q. 食器は何枚くらい揃えるのがよいですか?
まず平皿・飯碗・汁椀・小鉢の4種類を2〜4枚ずつ揃えるのが基本です。料理人の考え方では、少数精鋭で使いやすい器を揃え、料理に合わせて少しずつ買い足していくスタイルが理想的です。最初から全部揃えようとせず、一枚ずつ丁寧に選ぶことをおすすめします。
Q. 器が割れてしまったときはどうすればよいですか?
割れた器は、金継ぎで修復できます。金継ぎとは、割れた部分を漆で接着し金粉で仕上げる日本の伝統技法です。修復後は割れた痕が美しい模様になり、器としての価値がさらに高まります。いとをかしでは、購入した器の金継ぎを無料で承っています。
いとをかしが選ばれる理由
「料理人が選ぶ食器」にこだわるなら、選ぶお店にもこだわっていただきたいと思います。当店「いとをかし」は、元料理人の視点から一枚一枚厳選した器をお届けしています。
実際に料理を盛りつけて選んでいます。カタログやスペックだけで判断するのではなく、「この器に何を盛るか」を想像しながら産地を巡り、職人の手仕事を確認した上で仕入れています。プロの現場で培った感覚が、器選びの基準になっています。
さらに、いとをかしならではの安心のサービスをご用意しています。
- 生涯破損保証:購入した器が割れても、無料で金継ぎ修理いたします。
- 金継ぎサービス:割れた器を金で修復し、世界にひとつの器として蘇らせます。
- 産地直送:日本各地の産地から厳選した、本物の手仕事品をお届けします。
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まとめ
料理人が選ぶ食器には、「料理を美しく見せる舞台」としての明確な基準があります。色・形・縁の深さ・重さ——この3つの視点を意識するだけで、食器選びの質が大きく変わります。
食材の色を引き立てる背景色を選ぶこと、縁の形から盛りつけの手順を想像すること、毎日使える実用性を見極めること。セットで揃えるよりも一枚ずつ丁寧に選ぶこと。これらが、食卓を豊かにする器選びの本質です。
いとをかしでは、元料理人のメンバーが実際に使って選んだ器を揃えています。生涯破損保証・金継ぎサービスも充実しており、長く安心してお使いいただける器をお届けしています。
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いとをかし編集部は、元料理人のメンバーを中心に、器と食の関係を深く探求しながら伝統工芸品の魅力を発信しています。
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