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陶器のカビの落とし方|原因と予防法を徹底解説

お気に入りの陶器を食器棚から取り出したとき、黒ずんだシミを見つけて「これ、もしかしてカビ?」とドキッとした経験はありませんか? 私たちいとをかし編集部にも、「大切にしていた器にカビが生えてしまった」というご相談が数多く寄せられます。陶器は磁器に比べてカビが発生しやすい素材ですが、正しい知識があれば除去も予防もしっかり行えます。 この記事では、陶器にカビが生える原因から、状態別の落とし方、そして二度とカビを発生させないための予防法まで、元料理人の目線で徹底解説します。

陶器にカビが生える3つの原因

陶器にカビが生える3つの原因 和食器
そもそも、なぜ陶器にはカビが生えやすいのでしょうか。原因を正しく理解することが、効果的な対処への第一歩です。

原因1:素地の吸水性が高い

陶器にカビが生える最大の原因は素地の吸水性です。陶器は磁器と比べて焼成温度が低く、素地に無数の細かな気孔(目に見えない穴)が残っています。この気孔が水分・食品の油分・有機物を吸収し、カビの栄養源と水分を同時に提供してしまうのです。 磁器が1,300度前後で焼かれるのに対し、陶器の焼成温度は800〜1,250度程度。この温度差が気孔の量に直結し、カビの発生リスクを大きく左右します。

原因2:乾燥不足のまま収納している

洗った後の陶器を十分に乾燥させないまま食器棚にしまうと、気孔の奥に残った水分がカビの温床になります。特に気温と湿度が上がる梅雨の時期は、わずかな水分でもカビが一気に繁殖します。 布巾で拭いただけでは表面の水分しか取れません。気孔に入り込んだ水分を飛ばすためには、風通しの良い場所でしっかり自然乾燥させることが不可欠です。

原因3:保管環境の湿度が高い

湿度が高い場所に保管すると、陶器は空気中の水分を気孔から吸い込み続けます。シンク下の収納、浴室近くの棚、密閉された食器棚は特にカビの温床になりやすい場所です。 また、長期間使わずにしまい込んだ陶器も要注意。空気の入れ替えがない環境では、知らないうちにカビが進行していることがあります。

【状態別】陶器のカビの落とし方

【状態別】陶器のカビの落とし方 和食器
カビが生えてしまったら、まず慌てずにカビの状態を見極めることが大切です。軽度のカビと、素地の奥まで入り込んだ頑固なカビでは対処法が異なります。

軽度のカビ:重曹ペーストで落とす方法

カビが表面に薄く広がっている段階なら、重曹ペーストで十分に対処できます。食器に使う方法なので、安全性も安心です。
手順 内容 ポイント
1 重曹と少量の水を混ぜてペースト状にする 歯磨き粉くらいの固さが目安
2 カビの部分にペーストを塗り、30分〜1時間置く ラップで覆うとより効果的
3 柔らかいブラシかスポンジで優しく擦り洗い 研磨剤入りスポンジはNG
4 十分にすすぎ、完全に乾燥させる 最低でも半日は自然乾燥

軽度のカビ:酢水で落とす方法

重曹が手元にない場合は、食酢を使う方法も効果的です。酢の酸性がカビの除去を助けます。 水と食酢を1対1で混ぜた液を作り、カビのある部分に塗るか器ごと浸します。30分ほど置いた後、柔らかいブラシで優しく洗い流してください。酢の匂いが気になる場合は、最後にしっかりすすいで自然乾燥させましょう。

頑固なカビ:煮沸消毒で除菌する方法

カビが素地の奥まで入り込んでいる場合は、煮沸消毒が効果的です。カビ菌を熱で死滅させる方法で、古くから陶器のお手入れに用いられてきました。 鍋に器が完全に浸かる量のを入れ、そこに器を沈めてから火をつけます。必ず水の状態から器を入れることが重要です。沸騰した湯に急に入れると、温度差で器が割れるおそれがあります。沸騰してから15〜20分間そのまま煮沸し、火を止めた後は自然に冷めるまで待ちましょう。

頑固なカビ:漂白剤を使う方法(最終手段)

煮沸でも落ちない頑固なカビには、次亜塩素酸ナトリウム(キッチンハイター等)を使用します。ただし、これは最終手段と考えてください。 食器用漂白剤を規定の濃度に薄めた液に器を浸し、30分〜1時間ほど置いてからしっかりすすぎます。以下の点に必ず注意してください。
注意事項 理由
金彩・銀彩のある器には使用厳禁 漂白成分で金属装飾が剥がれる
絵付けのある器は目立たない部分でテスト 色落ちする可能性がある
長時間の浸け置きは避ける 素地にダメージを与える可能性がある
使用後は十分にすすぐ 漂白成分の残留を防ぐ

二度とカビを生やさない予防法4選

二度とカビを生やさない予防法4選 和食器
カビを除去できたら、次は再発防止が重要です。日々のちょっとした心がけで、陶器のカビは大幅に予防できます。私たちが特に大切だと考える4つの方法をご紹介します。

予防法1:使用後は「完全乾燥」を徹底する

カビ予防の最も重要なポイントは「完全乾燥」の徹底です。洗った後は布巾で水気を拭き取り、さらに風通しの良い場所で最低でも半日は自然乾燥させてから食器棚にしまいましょう。 特に底の高台(こうだい)部分は水が溜まりやすく、乾きにくい箇所です。ひっくり返して乾かすと効果的です。直射日光は陶器の色あせの原因になることがあるため、日陰で風通しの良い場所がベストです。

予防法2:目止めで気孔をふさぐ

新しい陶器を使い始める前に目止め処理を行うと、カビ予防に非常に効果的です。目止めとは、米のとぎ汁で器を煮ることで、でんぷん質が気孔をふさぎ、水分や汚れの浸透を防ぐ昔ながらの知恵です。 目止めの手順は次の通りです。鍋に米のとぎ汁を入れ、器を沈めてから弱火で20〜30分煮ます。火を止めたら、そのまま自然に冷めるまで放置。冷めたら取り出して水洗いし、しっかり乾燥させれば完了です。 基本的に新品時に1回行えばOKですが、長年使って効果が薄れたと感じたら再度行うとよいでしょう。

予防法3:湿度の低い場所に保管する

保管場所の環境はカビ予防に直結します。理想は湿度60%以下の風通しの良い場所です。 シンク下や密閉された棚は避け、定期的に食器棚の扉を開けて換気しましょう。食器棚の中に乾燥剤(シリカゲル)を入れておくのも効果的です。長期間使わない器は、和紙でくるんでから箱に入れ、乾燥剤と一緒に保管すると、湿気を吸収しながら器を保護できます。

予防法4:定期的に使って風を通す

意外に思われるかもしれませんが、器を定期的に使うこと自体がカビ予防になります。使うたびに洗って乾燥させるサイクルが、気孔に溜まった湿気をリセットしてくれるからです。 しまい込んだままの器は定期的に取り出し、軽く水洗いして乾燥させるだけでもカビの発生を防げます。お気に入りの器ほど、ぜひ日常的に使ってあげてください。

カビに強い器の選び方

カビに強い器の選び方 和食器
「そもそもカビの心配が少ない器を選びたい」という方のために、素材による違いを解説します。ライフスタイルに合った器選びの参考にしてください。

磁器と陶器のカビリスク比較

比較項目 磁器 陶器
吸水性 ほぼなし 高い
カビの発生リスク 低い 高い
お手入れの手間 少ない やや多い
風合い・質感 なめらかでシャープ 温かみがあり柔らかい
経年変化 少ない 味わいが増す(育つ器)
日常の手軽さを優先するなら磁器、手触りの温かさや経年変化の味わいを楽しみたいなら陶器がおすすめです。陶器はお手入れにひと手間かかりますが、その分「育てる楽しみ」があります。

釉薬の種類にも注目する

同じ陶器でも、施釉(釉薬をかけた)陶器は無釉の陶器よりもカビに強い傾向があります。釉薬がガラス質の膜となって気孔を覆い、水分の浸透を抑えてくれるからです。 カビの心配を減らしたいけれど陶器の風合いは捨てがたいという方は、しっかりと施釉された陶器を選ぶのも一つの方法です。

よくある質問(FAQ)

Q. カビが生えた陶器はもう使えませんか?

軽度のカビであれば、適切に除去すれば問題なく使えます。重曹・酢水・煮沸などで除菌し、完全に乾燥させてからご使用ください。ただし、素地の奥深くまでカビが根を張り、黒いシミが完全に落ちない場合は、衛生面を考慮して食器としての使用は控えることをおすすめします。

Q. 黒いシミはすべてカビですか?

いいえ。黒いシミには、カビ以外にも鉄分の浸出(鉄粉)・茶渋・食品の色素沈着が原因のものがあります。カビの場合は独特のカビ臭がしたり、表面に綿状・毛状の構造が見えることがあります。判断に迷ったら、まず重曹ペーストで試してみてください。

Q. 食洗機で洗えばカビは落ちますか?

食洗機の高温洗浄でカビ菌は死滅しますが、陶器は食洗機での使用が推奨されていません。急激な温度変化や強い水流で器にダメージを与える可能性があります。カビの除去は手洗いで行い、その後しっかり乾燥させるのが正しい方法です。

Q. 漂白剤を定期的に使ってカビを予防しても大丈夫ですか?

頻繁な漂白剤の使用は陶器の風合いを損なう可能性があるため、おすすめしません。カビ予防の基本は、完全乾燥・目止め・適切な保管環境の3点です。漂白剤は「カビが生えてしまったとき」の対処法として、必要最小限にとどめましょう。

Q. 目止めはどのくらいの頻度で行えばよいですか?

基本的には新品時に1回行えば十分です。その後は日常的な使用の中で自然にでんぷん質が補われていきます。ただし、数年使用して水の染み込みが気になり始めたら、再度目止めを行うと効果が回復します。

いとをかしが選ばれる理由

いとをかしが選ばれる理由 和食器

生涯破損保証で器との暮らしに安心を

当店「いとをかし」では、ご購入いただいたすべての器に生涯破損保証をお付けしています。万が一器が割れてしまった場合も、無料の金継ぎ修理で美しく蘇らせてお届けします。カビで傷んでしまった場合のご相談もお気軽にどうぞ。

産地直送だから届く確かな品質

私たちは日本各地の産地を直接訪れ、産地直送で器をお届けしています。中間マージンを省くことで適正価格を実現しながら、窯元の技術と想いをそのままお客様の食卓へつなぎます。

元料理人の目で選んだ「使える器」

いとをかし編集部は、元料理人のメンバーが中心。器の見た目だけでなく、実際に料理を盛ったときの映え方・持ちやすさ・扱いやすさまで吟味して商品を選んでいます。お手入れ方法のアドバイスもあわせてお届けしますので、陶器が初めての方も安心です。 ▶ いとをかしの器コレクションをチェックする

まとめ

陶器のカビは、素地の吸水性・乾燥不足・保管環境の3つが主な原因です。正しい知識があれば、除去も予防も決して難しくありません。 この記事のポイントを整理します。
カテゴリ ポイント
原因 陶器の高い吸水性・乾燥不足・高湿度の保管環境
軽度のカビ除去 重曹ペーストまたは酢水で対処
頑固なカビ除去 煮沸消毒、最終手段として漂白剤
予防の基本 完全乾燥・目止め・適切な保管・定期使用
器選びのコツ カビが心配なら磁器や施釉陶器がおすすめ
大切な器を長く美しく使い続けるために、日々のちょっとした心がけを習慣にしていきましょう。お手入れの手間も含めて「器を育てる楽しみ」ととらえれば、陶器との暮らしはもっと豊かになるはずです。 ▶ いとをかしの陶器をチェックする *いとをかし編集部は、元料理人のメンバーを中心に、器と食の関係を深く探求しながら伝統工芸品の魅力を発信しています。*

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