焼き物の修復方法4選|金継ぎ・接着剤・修理業者・DIYの費用と特徴を比較
大切にしていた焼き物が割れたり、欠けたりした瞬間は、胸が締め付けられるような気持ちになるものです。「もう捨てるしかないのかな」とあきらめかけている方も多いのではないでしょうか。
しかし実は、焼き物の修復には複数の選択肢があります。私たちいとをかし編集部は、金継ぎ修復を専門とする職人と連携しながら、お客さまの大切な器を蘇らせてきた経験があります。
この記事では、焼き物の修復方法を金継ぎ・接着剤・修理業者・DIYの4つに分類し、それぞれの費用・特徴・向いているケースを詳しく比較します。破損状況や用途に合った最適な修復方法が見つかります。
焼き物の修復方法4選|特徴・費用を一覧比較

焼き物の修復方法は大きく4つに分けられます。まずは全体像を把握し、破損の程度・器の価値・用途に合った方法を選びましょう。
| 修復方法 | 費用目安 | 仕上がり | 食器使用 | 難易度 | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|---|
| 金継ぎ(プロ依頼) | 5,000〜30,000円 | 美しい金の装飾 | 安全に使用可 | プロに任せる | 大切な器・日常使い |
| 金継ぎ(自分でキット) | 2,000〜10,000円 | 仕上がりに個人差 | キットによる | やや難しい | 趣味として楽しみたい |
| 接着剤 | 数百〜1,000円 | 透明〜やや目立つ | 要注意 | 簡単 | 観賞用・応急処置 |
| 専門業者依頼 | 5,000〜50,000円以上 | プロの仕上がり | 方法による | プロに任せる | 骨董品・高価な器 |
| DIYパテ・補修粘土 | 500〜3,000円 | 色合わせが難しい | 製品による | 比較的簡単 | 軽微な欠け・見えない部分 |
食器として使い続けたい場合は金継ぎが最も安全で美しい選択肢です。それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
金継ぎ|日本伝統の修復術で器を蘇らせる

金継ぎ(きんつぎ)は、日本に古くから伝わる焼き物の修復術です。割れた部分を漆で接着し、継ぎ目を金粉や銀粉で美しく飾ります。修復痕をあえて見せることで、器に唯一無二の美しさと新たな価値を生み出す点が、他の修復方法と大きく異なります。ここでは金継ぎの詳細を解説します。
金継ぎの3つのメリット
- 食器として安全に使い続けられる:本漆を使った金継ぎは食品衛生上の安全性が高く、修復後も安心して食器として使えます
- 修復痕が「景色」になる:金の継ぎ目が器の一部として溶け込み、割れる前よりも美しくなることさえあります
- 器の価値が高まる:金継ぎされた器は「育った器」として新たな価値を持ち、世界中で注目を集めています
プロに依頼する場合の費用と期間
| 破損の程度 | 費用目安 | 期間目安 |
|---|---|---|
| 小さな欠け(1箇所) | 3,000〜5,000円 | 2〜4週間 |
| ひび割れ(1本) | 5,000〜10,000円 | 3〜6週間 |
| 2〜3片に割れた場合 | 10,000〜20,000円 | 1〜2ヶ月 |
| 粉々に砕けた場合 | 20,000〜50,000円以上 | 2〜3ヶ月 |
費用は器のサイズや破損の状態によって大きく変わります。まずは写真を送って見積もりを取るのがおすすめです。
自分で金継ぎに挑戦する場合
最近は初心者向けの金継ぎキットが充実しており、2,000〜10,000円程度で必要な道具が一式揃います。簡易金継ぎ(合成漆を使用)なら1〜2日で完成しますが、本漆を使った伝統的な金継ぎは乾燥に1ヶ月以上かかります。
ワークショップに参加して基礎を学んでから始めると、失敗のリスクを減らせます。東京・京都・大阪を中心に、金継ぎワークショップを開催している教室は増えています。受講料は5,000〜15,000円程度が一般的です。
接着剤による修復|手軽だが用途に注意

市販の瞬間接着剤やエポキシ系接着剤を使う方法です。手軽さが魅力ですが、食器としての使用には注意が必要です。主な特徴と注意点を解説します。
接着剤の種類と選び方
| 接着剤の種類 | 価格帯 | 強度 | 食器使用 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 瞬間接着剤(シアノアクリレート) | 300〜800円 | やや弱い | 非推奨 | すぐに固まるが耐熱性が低い |
| エポキシ系接着剤 | 500〜2,000円 | 強い | 製品による | 2液混合タイプで接着力が高い |
| 食器用耐水接着剤 | 800〜1,500円 | 中程度 | 対応品あり | 食品衛生法適合品を選ぶ |
接着剤修復の注意点
- 食器として使う場合は必ず食品衛生法に適合した接着剤を選ぶ:対応していない製品は有害物質が溶け出すおそれがあります
- 電子レンジ・食洗機は使用不可の場合が多い
- 経年劣化で接着力が低下する:数年で再び割れるリスクがあります
- 観賞用や飾り用の器には手軽で適した方法です
接着剤修復は応急処置や観賞用に向いています。食器として長く使い続けたい器には、金継ぎを検討してください。
専門業者への修理依頼|骨董品や高価な器に最適

陶磁器の修復を専門とする業者に依頼する方法です。高い技術力で美しく仕上げてもらえるため、大切な器に最適です。業者の種類と選び方を解説します。
修理業者の種類
- 金継ぎ専門店:伝統的な本漆と金粉を使った修復。仕上がりが美しく食器使用も安全。費用は5,000〜30,000円以上
- 陶芸工房・窯元:産地の窯元や陶芸家が修復してくれる場合があります。同じ土・釉薬で補修できる可能性も
- 文化財修復・骨董品修復の専門家:美術品レベルの修復が可能。費用は高額だが、器の価値を損なわない修復ができます
業者選びの3つのチェックポイント
- 修復実績を確認する:ホームページやSNSで過去の修復事例を見ましょう
- 見積もりを取る:写真を送ると概算見積もりを出してくれる業者が多いです
- 使用する材料を確認する:食器として使い続ける場合は、本漆を使っているか確認しましょう
プロに依頼する最大のメリットは、仕上がりの美しさと耐久性です。大切な器や高価な焼き物は、迷わず専門家に相談することをおすすめします。
DIYパテ・補修粘土|軽微な欠けに手軽な選択肢

食器補修用のパテや補修粘土を使ってDIYで修復する方法です。軽微な欠けの補修に向いており、比較的簡単に扱えます。
DIYパテ修復のポイント
- 食器用・耐水性のパテを選ぶこと:「食器補修用」と明記されている製品を選びましょう
- 色合わせが難しい:器と同じ色に仕上げるのは難しく、修復痕が目立つことがあります
- 軽微な欠けに最適:大きな割れには向きません。小さな欠けや、見えない部分(高台など)の補修に使いましょう
費用は500〜3,000円程度と手頃です。完成度にこだわらず、まず使い続けたいという場合の選択肢として覚えておくとよいでしょう。
修復方法の選び方|用途・器の価値で決める

どの修復方法を選ぶかは、器の用途と価値によって異なります。以下のフローで最適な方法を見つけてください。
食器として引き続き使いたい場合
食器として使い続けたい場合は、金継ぎが最も安全で適した方法です。本漆を使った金継ぎは、長い歴史の中で食品安全性が実証されています。
「簡易金継ぎ」や合成漆を使ったキットタイプも食器使用可能なものが多いですが、製品の説明書で必ず確認してください。接着剤やDIYパテは、食品衛生法に対応した製品を選ぶ必要があります。
観賞用・飾り物として残したい場合
食器として使わず飾り物として残したい場合は、接着剤やDIYパテも十分な選択肢になります。見た目の美しさを重視するなら、金継ぎで仕上げると飾り物としての価値もさらに高まります。
骨董品・高価な焼き物の場合
骨董品や価値の高い焼き物は、修復方法を誤ると価値を大きく損なうことがあります。必ず専門家に相談し、最適な修復方法を選んでもらいましょう。自己判断での接着剤使用は、骨董的価値を下げてしまうリスクがあります。
費用を抑えたい場合
できるだけ費用を抑えたい場合は、金継ぎキット(2,000〜10,000円)か食器用接着剤(数百円〜1,000円)が選択肢です。ただし、食器として安全に使い続けるなら、初期費用はかかっても金継ぎを選ぶのが長い目で見て賢い選択です。
よくある質問
焼き物の修復に関するよくある質問にお答えします。
Q. 金継ぎで修復した器は電子レンジで使えますか?
金継ぎを施した器は電子レンジでの使用を避けてください。金粉や銀粉などの金属成分が電磁波と反応し、火花が散る危険があります。修復後は直接加熱しない料理や飲み物に使いましょう。食洗機も避け、手洗いで丁寧に扱うのがおすすめです。
Q. 焼き物の修復費用の相場はどれくらいですか?
修復方法と破損の程度によって大きく異なります。DIY(接着剤・パテ)なら数百円〜3,000円、金継ぎキットで自分でやる場合は2,000〜10,000円、プロに依頼する金継ぎは5,000〜30,000円が目安です。骨董品など価値の高い器は50,000円以上かかることもあります。
Q. 割れた焼き物を金継ぎで修復しても、また割れますか?
本漆を使った金継ぎの接着力は強く、日常使いに十分耐えられます。丁寧に扱えば、修復した部分がまた割れることはほぼありません。ただし、強い衝撃や急激な温度変化は避けてください。
Q. 破片をなくしてしまった場合も修復できますか?
金継ぎでは、欠損した部分を漆と粉で埋めて形を復元できます。これを「埋め」と呼びます。破片がなくても修復は可能ですが、欠損が大きいほど費用と時間がかかります。破片がある場合は、紛失しないよう保管しておきましょう。
Q. 修復を依頼するとき、器はどうやって送ればいいですか?
破片がバラバラにならないよう、ひとつずつ新聞紙やプチプチで包み、段ボールに隙間なく詰めて配送してください。破片が小さい場合はジップロックにまとめると安心です。多くの金継ぎ業者が宅配での受付に対応しています。
いとをかしが選ばれる理由

大切な器の修復でお悩みなら、セレクトショップ「いとをかし」がお役に立てます。
生涯破損保証で無料金継ぎ修理
いとをかしでは、購入したすべての器に生涯破損保証をお付けしています。万が一、大切な器が割れたり欠けたりしても、無料で金継ぎ修復をいたします。通常5,000〜30,000円かかる金継ぎ修理が無料になる、業界でもめずらしい保証制度です。
金継ぎで器との関係をさらに深く
金継ぎは「割れた器を直す」だけでなく、「器との関係を深める」行為でもあります。修復された器には唯一無二の金の模様が刻まれ、使うたびに特別な愛着が生まれます。いとをかしは、そんな器との長い付き合いを応援します。
元料理人が厳選した割れにくく丈夫な器
当店のバイヤーは元料理人。実際に厨房で使い込み、日常の使用に耐える丈夫さと美しさを兼ね備えた器だけを産地直送でお届けしています。
まとめ:焼き物の修復は金継ぎが最も安全で美しい選択

焼き物の修復方法4選のポイントを振り返りましょう。
- 金継ぎ:食器として安全に使い続けられ、修復痕が美しいアクセントになる最もおすすめの方法
- 接着剤:手軽で安価だが、食器使用には注意が必要。観賞用・応急処置向き
- 専門業者依頼:骨董品や高価な器はプロに任せるのが安心
- DIYパテ:軽微な欠けに手軽な選択肢。食器使用は製品を要確認
大切な器が割れてしまっても、「捨てる」以外の選択肢はたくさんあります。特に金継ぎは、割れた器に新しい命と美しさを与える日本ならではの修復術です。焼き物の修復方法を正しく選び、大切な器との長い付き合いを楽しんでください。
いとをかし編集部は、元料理人のメンバーを中心に、器と食の関係を深く探求しながら伝統工芸品の魅力を発信しています。
欠けた器を、捨てずに継ぐ。
「縁起が悪い」と言われる欠けた器も、金継ぎで継げば、新しい景色になります。
いとをかしの器は、お買い上げ後も本漆の金継ぎでお戻しできます。修繕のご相談は下記からお気軽にどうぞ。
※ お返事まで3〜5営業日いただきます。
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