和食器の用語辞典|貫入・呉須・目止めなど基本用語を元料理人がやさしく解説

和食器には、その魅力を語るための美しい言葉がたくさんあります。「貫入」「呉須」「目止め」——聞き慣れない用語も、意味が分かると器選びが何倍も楽しくなります。

このページでは、いとをかし編集部が和食器にまつわる基本用語を、装飾・技法から部位・素材・お手入れまで、やさしく解説します。詳しい記事があるものはリンクからどうぞ。

装飾・技法

染付(そめつけ)

白い素地に呉須(ごす)で藍色の文様を描き、透明釉をかけて高温で焼いた磁器のこと。清々しい白と藍のコントラストが特徴で、日本の食卓に最もなじむ和食器のひとつです。

呉須(ごす)

染付に使われる青色の顔料。酸化コバルトを含み、焼くと鮮やかな藍色に発色します。産地や配合によって濃淡や色味が変わり、器の表情を左右します。

青磁(せいじ)

鉄分を含む釉薬を還元焼成することで、青緑色に発色させた磁器。翡翠のような静かな色合いが尊ばれ、古くから東アジアで高く評価されてきました。

粉引(こひき)

素地に白い化粧土を刷毛や浸けがけで施した器。土のあたたかみと白のやわらかさを併せ持ち、使い込むほどに“シミ”が景色として育つのが魅力です。 くわしくは粉引の食器とは?特徴・魅力・お手入れ方法を徹底解説|育てる器の楽しみで解説しています。

刷毛目(はけめ)

化粧土を刷毛で塗り、その筆跡をあえて残した装飾技法。躍動感のある白い線が、素朴で力強い表情を生みます。

焼締(やきしめ)

釉薬をかけずに高温で焼き締めた器。備前焼や信楽焼が代表で、土そのものの質感と、灰が溶けてできる自然の景色が味わえます。

見どころ・状態

貫入(かんにゅう)

釉薬の表面に入る細かなひび状の模様。素地と釉薬の収縮率の違いから自然に生まれる現象で、欠陥ではなく“景色”として愛でられます。使ううちに色が入り、器が育ちます。 くわしくは貫入とは?陶器に入るひびの仕組みと器を育てる楽しみ方で解説しています。

景色(けしき)

器の表面に現れる色・模様・質感の変化の総称。窯の中の炎や灰、釉薬の流れが生む一点ものの表情で、和食器を鑑賞する大きな楽しみです。

窯変(ようへん)

焼成中の炎や灰、温度の変化によって、狙い通りではない色や模様が偶然生まれること。二つとない景色として珍重されます。

部位の名前

高台(こうだい)

器の底にある、輪状の脚の部分。器を安定させるとともに、作り手の技量やその器の“格”が表れる見どころでもあります。

見込み(みこみ)

茶碗や鉢などの器の内側、底の中央部分のこと。料理を盛ったときに最も目に入る場所で、釉薬の景色を楽しむポイントです。

素材・分類

陶器(とうき)

粘土を主原料とし、比較的低温で焼いた“土もの”。厚みと温かみがあり吸水性があるため、使う前の目止めや乾燥が長持ちのコツです。 くわしくは陶器のカビの落とし方|原因と予防法を徹底解説で解説しています。

磁器(じき)

陶石を原料とし、高温で焼いた“石もの”。硬く緻密で吸水性が低く、白くなめらかでシャープな口当たり。染付や絵付けが映えます。 くわしくは陶磁器の修理方法完全ガイド|金継ぎ・接着剤・業者の費用と選び方で解説しています。

炻器(せっき)

陶器と磁器の中間的な性質を持つ焼き物。吸水性が低く丈夫で、備前焼や常滑焼などが含まれます。

漆器(しっき)

木地などに漆を塗り重ねた器。軽く手や口に優しく断熱性に富む一方、急激な乾燥や直射日光、食洗機は苦手です。 くわしくは和食器のお手入れ完全ガイド|陶器・磁器・漆器のシミ対策と長持ちの秘訣で解説しています。

お手入れ・修復

目止め(めどめ)

陶器を使い始める前に、米のとぎ汁などで煮て気孔をふさぐ下処理。シミや臭いの染み込みを防ぎ、器を長持ちさせます。 くわしくは陶器の目止めとは?米のとぎ汁を使ったやり方・必要な器の見分け方を解説で解説しています。

金継ぎ(きんつぎ)

割れや欠けを漆で接着し、継ぎ目を金粉で仕上げる日本の伝統修復技法。傷を“新しい景色”に変え、器を一生使い続けられます。 くわしくは割れた器は捨てないで|金継ぎで蘇らせる3つの方法で解説しています。

生涯破損保証(しょうがいはそんほしょう)

いとをかしが購入者に提供する保証。ご購入いただいた器が割れても、無料で金継ぎ修復いたします。「割れたら終わり」ではなく、安心して長く使えます。 くわしくは金継ぎ生涯破損保証とは?仕組み・費用・選び方を元料理人が徹底解説で解説しています。

用語を知って、あなたの一枚を

器の言葉を知ると、作り手の意図や器の個性がぐっと身近になります。気になる器があれば、ぜひ手に取ってその“景色”を感じてみてください。

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いとをかし編集部は、元料理人のメンバーを中心に、器と食の関係を深く探求しながら伝統工芸品の魅力を発信しています。