ABOUT THIS PIECE
この器について
産地や技法から、合う料理・レシピまで——この一枚のことを、じっくりご紹介します。
雨上がりの空を映したような、澄んだ青緑。KIWAKOTOの「水」は、茶碗でも小鉢でもない、用途にとらわれず使える新しいかたちの器です。縁を彩る牡丹の輪郭、横から見れば山を思わせる逆三角——手に取るたび、静かな景色が食卓に生まれます。
COLUMN / 器の物語
雨過天青の色
青磁のはじまりは、今からおよそ3,400年前、紀元前14世紀の中国にさかのぼります。「雨過天青雲破処——雨が過ぎ去ったあと、雲の切れ間からのぞく澄んだ空の色をつくれ」。時の皇帝が発したこの一言が、青磁という焼き物を生んだと伝えられています。以来、青磁は「空の色を器に写す」という、やきものの理想のひとつとされてきました。
日本へは古くに渡来し、江戸時代には有田を中心に本格的な生産が始まります。鉄分をわずかに含んだ釉薬を、酸素を絞った炎(還元焼成)でじっくり焼くと、青みを帯びた透明感のある色が生まれる——その繊細な化学と火の技が、青磁の静かな深みを支えています。
KIWAKOTOの「水」がまとうのは、そんな青磁の歴史を受け継ぎながら、現代の食卓のためにやわらかく解き直した淡い青緑。光にかざすとほのかに透け、料理の湯気や水分にしっとりと寄り添います。眺めるほどに、雨上がりの空や、豊かに動く水の面を思わせる——一枚の器の中に、はるかな時間と自然が息づいています。


PAIRING / 料理との相性
青が料理を引き立てる
澄んだ青磁は、料理の色をきりりと際立たせます。胡麻和えの緑、苺や梅の赤、白玉の白——彩りのある一品を盛ると、器と料理が互いを引き立て合います。逆三角のかたちは手にすっとなじみ、汁物からデザートまで、一日の食卓のあちこちで活躍します。
中でもおすすめは、青と緑が響き合う和え物。元料理人がこの器のために選んだ、かんたんな一品をご紹介します。
元料理人のひと皿レシピ
材料(2人分):ほうれん草 1束/白すりごま 大さじ2/しょうゆ 大さじ1/2/砂糖 小さじ1/2
作り方
1. ほうれん草をさっと茹で、冷水にとって水気をしっかり絞り、3cm幅に切る。
2. すりごま・しょうゆ・砂糖を混ぜ合わせ、ほうれん草を和える。
3. 青磁の器にこんもりと山高に盛れば完成。青緑の器に、緑がやわらかく映えます。
この器のQ&A
青磁の色は一つずつ違いますか?
はい。青磁釉は焼成条件で発色が変わるため、濃淡や表情は一点ごとに異なります。
茶碗として使えますか?
はい。ご飯にも汁物にも、小鉢や取り皿としても使える汎用的なかたちです。
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