陶器は食洗機でNGな理由|元料理人が教える見分け方と正しいお手入れ
新しく購入した器を食洗機に入れてよいのか、迷った経験はありませんか?「高価な器だから駄目かな」「磁器と陶器の違いがよくわからない」——そんな声を、私たちはよくお聞きします。
料理人として長年厨房に立ち続けた経験から、私たちは器のお手入れを特に大切にしてきました。食洗機に入れてはいけない陶器を誤って洗浄すると、欠け・ひび割れ・釉薬の劣化を起こし、料理の美しさを損なう原因になります。
この記事では、食洗機と陶器の正しい知識を解説します。陶器がNGな理由・磁器との見分け方・正しいお手入れ方法まで、元料理人の実体験とともにお伝えします。
食洗機と陶器|知っておきたい基本のルール
食洗機の使用可否を判断するには、まず「陶器」と「磁器」の違いを理解することが欠かせません。この2つは見た目が似ていても、素材の性質がまったく異なります。
以下では、陶器がNGな理由・磁器との違い・実践的な見分け方の順に解説します。
陶器が食洗機NGな理由
陶器は土を主原料とした多孔質の素材で、表面に無数の微細な孔があります。食洗機の水温は一般的に60〜75℃に達します。この高温と勢いのある水流にさらされると、次のような問題が起きます。
- 水分が内部に浸透し、ひび割れや欠けの原因になる
- 急激な温度変化で素地が膨張・収縮を繰り返す
- 洗剤成分が細孔に入り込み、においや変色の原因になる
- 釉薬(うわぐすり)が劣化し、表面の艶が失われる
元料理人として実感しているのは、釉薬の艶が落ちた器で料理を盛りつけると、食材の色がくすんで見えるということです。器の美しさは、料理の美しさに直結します。
磁器は食洗機で使えることが多い
磁器は石英・長石・カオリンなどを高温で焼き締めた素材で、吸水性がほぼゼロです。食洗機での使用に適しており、波佐見焼や有田焼などの磁器製品は対応しているものが多くあります。
当店の古染十草 お茶碗 波佐見焼やダマスクフラワー 5寸皿 波佐見焼 グレーなどは磁器製で、日常使いに向いています。ただし、食洗機使用前には必ず商品ラベルをご確認ください。
なお、金・銀の絵付けや特殊な釉薬が施された磁器は、熱や洗剤で装飾が剥がれる恐れがあります。磁器であっても注意が必要です。
見た目でわかる陶器と磁器の見分け方
購入時のラベルがない場合は、以下の3つの方法で判断できます。
- 底面を触る:ざらつきがあれば陶器、つるつるしていれば磁器の可能性が高い
- 光にかざす:磁器は薄い部分がうっすら透けることがある
- 指で弾く:磁器は澄んだ高い音、陶器は鈍い低い音がする
判断に迷ったときは、手洗いを選ぶのが安全です。
食洗機に入れてはいけない器の見分け方
「食洗機対応かどうか」は、購入時に確認するのが最善です。しかし手元の器に表記がない場合、どう判断すればよいでしょうか。
ここでは、確認すべきポイントを具体的にご紹介します。
食洗機対応マークを確認する
多くの食器の底面や梱包に、食洗機対応の表記があります。「食洗機対応」「dishwasher safe」などの記載を確認しましょう。表記がない場合は非対応と判断するのが安全です。
特殊な加工・絵付けに注意
素材が磁器であっても、以下の場合は食洗機の使用を避けてください。
- 金・銀の絵付けや縁取りがある器
- 手描きの繊細な上絵付けが施された器
- 貼り付け型の装飾がある器
- 蓋物や接着剤を使って組み合わせた器
骨董品や作家物の器も、食洗機は避けることをお勧めします。
陶器を長持ちさせる正しいお手入れ方法
陶器は手洗いが基本です。正しくケアすれば、年月とともに深みが増し、使うほどに愛着が湧く器へと育ちます。
ここでは、手洗いの基本と、陶器を守るための「目止め」についてお伝えします。
手洗いの基本とポイント
陶器を洗う際は、以下の点を意識してください。
- 中性洗剤を使い、柔らかいスポンジで優しく洗う
- 熱湯への急激な浸水は避ける(温度差でひびが入ることがある)
- 洗った後はすぐに乾いた布で水気を拭き取る
- 完全に乾いてから収納する(水分が残ると黒ずみの原因になる)
目止めで陶器を強くする
陶器を初めて使う前に「目止め(めどめ)」を行うと、細孔を塞いで汚れ・においの染み込みを防ぐことができます。米のとぎ汁で器を20〜30分煮るだけと、手順はシンプルです。
詳しいやり方は陶器にコメのとぎ汁で目止めを|やり方と元料理人の失敗しないコツをご覧ください。
また、食洗機に入れてしまって陶器が欠けてしまった場合は、陶器の欠け補修方法3選|費用・安全性・手順を元料理人が解説もあわせてご参考ください。
よくある質問
食洗機と陶器に関して、お客様からよくいただくご質問をまとめました。
Q. 陶器を誤って食洗機に入れてしまった場合、どうすればいいですか?
すぐに取り出し、乾いた布で水気を拭き取って自然乾燥させてください。ひび割れや欠けがなければ引き続き使用できます。ただし繰り返し食洗機に入れると劣化が進むため、以後は手洗いに切り替えることをお勧めします。万が一割れてしまった場合は、金継ぎでの修復も選択肢の一つです。
Q. 波佐見焼や有田焼は食洗機で使えますか?
波佐見焼・有田焼は磁器製のものが多く、食洗機対応の製品が多いです。ただし、金・銀の絵付けがある製品は洗剤や高温で装飾が剥がれる恐れがあるため、手洗いを推奨します。購入前に商品説明をご確認ください。
Q. 食洗機で洗った陶器が白く曇ってしまいました。元に戻せますか?
食洗機の洗剤や高温によって釉薬が劣化した可能性があります。白濁の改善は難しいケースが多いです。状態によっては陶器修理を自分でやる方法を試すこともできますが、今後は手洗いに切り替えることをお勧めします。
Q. 益子焼は食洗機で使えますか?
益子焼は陶器が多く、基本的には食洗機NGです。土の風合いや釉薬を長く楽しむためにも、手洗いが推奨されます。詳しくは益子焼は食洗機で洗える?元料理人が教える正しいケアと注意点をご覧ください。
Q. 食洗機対応の陶器というものは存在しますか?
一部のメーカーが食洗機対応を謳った陶器を販売しています。特殊なコーティングや焼成技術で吸水性を抑えたものですが、長期使用での耐久性はメーカーの表記をよく確認してください。表記がないものは手洗いが基本です。
いとをかしが選ばれる理由
当店「いとをかし」は、元料理人が中心となり、器と料理の関係を深く見つめながら、本当に使い心地のよい器だけを厳選してご提供しています。
生涯破損保証・無料金継ぎサービス
当店でご購入いただいた器が万が一割れてしまった場合、無料で金継ぎ修理を承ります。金継ぎとは、割れた器を漆と金で修復する日本の伝統技法です。修復後の器は、金の継ぎ目が新たな表情となり、むしろ美しさが増すことも少なくありません。
「食洗機に入れてしまい割れてしまった」という場合でも、ぜひご相談ください。大切な器を蘇らせるお手伝いをします。
元料理人の目で選んだ、産地直送の器
私たちは実際に料理を盛りつけて、器の本当の姿を確かめています。食材が映える器だけを、日本各地の産地から直接厳選しているため、どの器も食卓で活きる一品です。
食洗機対応の磁器製品から、手洗いが必要な味わい深い陶器まで、ご購入前にお気軽にお問い合わせください。
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まとめ
食洗機と陶器の正しい知識を、以下にまとめます。
- 陶器は食洗機NG:吸水性が高く、高温・洗剤で劣化・破損のリスクがある
- 磁器は食洗機対応が多い:ただし金彩や特殊加工のものは手洗いを
- 見分け方:底面のざらつき・透過性・叩いた音で判断できる
- 陶器のお手入れ:中性洗剤で手洗い、目止めで汚れの染み込みを防ぐ
大切な器をできるだけ長く使い続けるために、素材に合ったケアを心がけてください。万が一割れてしまっても、金継ぎという選択肢があります。器は直して、また使い続けることができます。
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いとをかし編集部は、元料理人のメンバーを中心に、器と食の関係を深く探求しながら伝統工芸品の魅力を発信しています。
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