ABOUT THIS PIECE
この器について
産地や技法から、合う料理・レシピまで——この一枚のことを、じっくりご紹介します。
職人の筆がひと刷きごとに描き出す雲の意匠。波佐見焼の染付技法で表現された雲絵は、同じものがふたつとない手仕事の証です。約240gの軽やかな磁器は、毎日の相棒にふさわしい気軽さを持っています。
COLUMN / 器の物語
筆先に宿る雲と藍
長崎県波佐見町は、有田と並ぶ肥前磁器の一大産地。江戸時代から庶民の器を大量に焼き、「くらわんか碗」で全国の食卓を支えてきました。その波佐見の窯で今も受け継がれる染付は、呉須(ごす)と呼ばれる藍色の顔料を素焼きの素地に直接描く技法です。
雲絵の柄は、職人が一筆一筆手で描いています。型成形で均一に仕上げた器体に、流れるような筆致で雲を配し、透明釉を掛けて本焼きする。高温で焼き締められた呉須の藍は褪せることなく、つるりとした釉肌の下で静かに存在感を放ちます。


PAIRING / 料理との相性
空を眺めるように味わう
緑茶や煎茶を注ぐと、雲絵の合間から藍色が透けて見え、まるで晴れ間を覗くような趣が生まれます。直径10cmのコンパクトなサイズは日本茶にちょうどよく、和菓子を添えた午後の一服に最適です。味噌汁椀の代わりに、朝の食卓で汁物を盛る使い方も粋です。
元料理人のひと皿レシピ
材料(2人分): ごはん茶碗2杯分、しらす干し40g、大葉4枚、白いりごま小さじ2、だし汁300ml、薄口醤油小さじ1、わさび適量
作り方
1. だし汁を小鍋で温め、薄口醤油で味を調える。大葉は千切りにする。
2. ごはんを軽く茶碗に盛り、しらす干しと大葉をのせ、白ごまを振る。
3. 雲絵のマグに温かいだし汁を注いで添え、食卓で好みの量をごはんに回しかける。藍の雲模様が湯気の向こうに浮かび、さらさらと啜る出汁茶漬けの時間が一層豊かになる。
この器のQ&A
手描きの絵柄は使ううちに薄くなりませんか?
染付の絵柄は釉薬の下に焼き込まれているため、洗浄や日常使いで薄くなることはありません。食洗機にも対応しています。
ひとつずつ柄が違いますか?
はい、職人が一点ずつ手描きしているため、雲の配置や筆の勢いに個体差があります。手仕事ならではの味わいとしてお楽しみください。
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